屋根裏の宝箱 【音楽・ギター・etc、】

音楽やギターのこと、あれこれを長年の経験に基づいたノウハウを生かして記事を書いていきます。このブログが皆様の宝箱になれば幸いです。

冨田 勲を聴け‼️

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私がロックに夢中になっていた中学2年生の頃、友達から冨田 勲の[惑星]を聴かされて衝撃を受けました。ナニ、この宇宙感!別世界感!!それから私は冨田 勲のアルバムが出るたびに少ないおこずかいを工面してレコードを買って部屋を薄暗くして聴きまくっていました。元々、美しい音楽が好きで、ロックの中でもメロディアスな曲が好きな方でしたからビタッとハマったのかもしれません。

それからシンセサイザーが欲しくてたまらなくなりました。当時シンセサイザーの出始めで、日本のメーカーではRolandやヒルウッドから数台出ていたくらいでした。勿論ムーグなんて買えるわけがありませんし。Rolandだって私のこずかいでは買えるわけはなかったので、ダメ元で親父に「シンセサイザー買って」言ったら買ってくれたのです。18万ですよ。今から40年以上前です。決して金持ちの家庭ではありませんでしたよ。感謝してます親父には、、、

しかし、当時のシンセサイザーは音が単音しか出なかったのです。鍵盤を2つたたいても音は1つしか出ません。私が買ったのはRolandのSH2000というもので、音が何十種類かプリセットされていて、基本の音の波形を変えて音作りをしていくものでた。といっても当時の技術ですから現在のように自由自在に音は作れませんでした。でも音の厚みや太さは現在のデジタルには出せない凄さはあったように思います。

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そして、これで冨田になろうと思った自分が馬鹿でした。たしかにバイオリンやトランペットやオーボエ、色々リアルな音が出ました。しかし、どうやってあの惑星のようなサウンドになるのか、、なるわけない!色々調べてくうちに段々と分かってきたのです。冨田 勲大先生は、音を何十にも重ね録音しているということが!それからはもう宝の持ち腐れでした。ただ持ってるだけ。そそくさとギターに戻ったのです。

当時の無機質なシンセサイザーの音を知っている自分ですから、冨田 勲の凄さがより分かるのです。どうぞ皆さんYouTubeで無料で聴けますから聴いてみてください。(買った方がいいけど、、)冨田 勲は近代クラシックをシンセサイザーでアレンジしてアルバムを製作してます。曲はなんでも良いと思います。全てに魂が宿っています。当時の無機質な音を見事なまでに魂の込もった暖かい生きた音に変えています。シンセで作るストリングスは微妙に音程を狂わせて何十にも重ねたと聞いてます。さらに、リバーブ等の空間系エフェクトの心地良い使い方のセンスの良いことと言ったらありません。さらに、音の強弱やテンポの変化等、どれ程の苦労をして録音したのかが分かり得ます。

あまり知られていませんが、昔のアニメのジャングル大帝、リボンの騎士、キャプテンウルトラの音楽は冨田 勲大先生なのですよ。

一昨年、大先生は天国に旅立たれましたが、私は、その1年前に新しいアルバムのキャンペーンで大先生のトークショーに抽選で当たり、日本コロンビアに行き、なんと1列目で大先生を目の前で見たのです。もの静かに今までの苦労話や新しいアルバムの話をして下さいました。このトークイベントで忘れられない事は、事情で取りやめになったディズニーのファンタジアの冨田サウンドをアニメを見ながら聴かせて頂いた事です。せっかく作ったのに色々な事情で取りやめになって残念がっていらっしゃいました。

晩年は初音ミクとのコラボでオーケストラと共にコンサートをしたり、新しいアルバムを製作したりと、亡くなるまで精力的に活動されていました。

数々のクラシックの名曲を冨田 勲は全く違う次元へワープさせました。クラシックが苦手だ、退屈だ、という人は一度聞いてみてください。冨田 勲の凄さと共に偉大な作曲者の素晴らしさも実感できるはずです。